遺品整理業を開業するには?必要な資格と手続きについて解説!
高齢化が進む現代の日本では、遺品整理の需要が増えてきています。
また、核家族世帯や単独世帯の増加により「遺品整理をしたいが自分では対応できない」と悩むユーザーが増え、遺品整理を業者に任せたいと考える人も珍しくなくなってきました。
そのため、今後も遺品整理業界の需要は伸び続けるといわれています。そんな将来性のある遺品整理業界で、自分も開業をしたいと考える方もいるでしょう。
そこで本記事では、遺品整理業の開業について分かりやすく解説します。
遺品整理で必要な資格や、開業後に失敗しない方法など、開業前に知りたい情報をお伝えします。ぜひ参考にしてください。
この記事を読むと以下のことが分かります。
- 遺品整理業を開業する際に必要な資格
- 開業する際の考え方や手続き方法
- 開業後に成功をする秘訣
遺品整理業の開業に必要な資格と許可とは?
まずは、遺品整理業者として開業をする際に取得しておくと役立つ資格・許可を5つご紹介します。
- 一般廃棄物収集運搬許可証
- 産業廃棄物収集運搬許可証
- 古物商許可証
- 一般貨物自動車運送事業の許可
- 遺品整理士
取得は必須ではありませんが、提供するサービス内容によっては無許可でおこなうと違法となってしまうものもあるため注意してください。
一般廃棄物収集運搬許可証
一般廃棄物収集運搬許可証とは、一般家庭から出る不用品を回収・運搬する際に必要な許可です。
遺品整理業でいえば、遺品の回収や運搬作業を行う場合に取得する必要があります。
一般廃棄物収集運搬許可証を取得するには、自治体へ申請をする必要があります。
なお、申請には手数料として5,000〜10,000円の支払いが必要です。
ただし、取得が難しい場合は一般廃棄物収集運搬許可を取得している業者と提携をして業務にあたることも可能です。
産業廃棄物収集運搬許可証
産業廃棄物収集運搬許可証とは、法人が排出する不用品を回収・運搬する際に必要な許可です。
遺品整理業では法人の不用品を扱う機会はあまりありませんが、一般家庭にある農薬や廃油なども産業廃棄物にみなされる場合があります。取得が必須となる許可ではないものの、あらゆる可能性を考えて取得は検討しておくべきでしょう。
産業廃棄物収集運搬許可証を取得するには、都道府県知事へ申請が必要です。
なお、申請には手数料が必要であり、全国一律で81,000円かかります。
古物商許可証
古物商許可証とは、古物営業法で規定されている古物を売ったり、買ったり、交換したりする際に必要な資格です。
該当する古物は衣類や貴金属、家具や書籍、美術品など、遺品整理時に扱うものも多数あります。それら遺品を買取したり売却したりする際は取得が必須となる資格です。
古物商許可証を取得するには、警察署への申請が必要となります。
また、申請手数料として19,000円かかることを覚えておきましょう。
一般貨物自動車運送事業の許可
一般貨物自動車運送事業の許可とは、車両を利用して荷物を運送し、対価を受け取るといった業務をおこなう際に必要な許可です。
遺品整理業でいえば、故人宅から遺族宅へ遺品を運ぶなどといったサービスを提供する場合に、この許可を得ておく必要があります。
一般貨物自動車運送事業の許可を得るには各運輸支局で審査を受ける必要があります。
なお、費用は120,000円程度かかります。
遺品整理士
遺品整理士は、遺品整理業を開業するうえで最重要ともいえる資格です。
民間資格ではありますが、遺品整理業者としてのノウハウを学ぶには最適の資格といえます。
遺品整理士の資格を取得するためには、「一般財団法人 遺品整理士認定協会」へ申し込みをおこない、通信講座を受けたうえで試験を受ける必要があります。資格が取得できるまで2〜3ヵ月かかるため、早めに申し込みを済ませておきましょう。
なお、費用として入会金が25,000円、会費が10,000円かかります。
遺品整理士ふくめ、遺品整理業に必要な資格については下記の記事で詳しく解説しています。参考にしてください。
遺品整理士資格は必要か?取得のメリットを解説
遺品整理士の資格は重要であるとご紹介しましたが、その理由は下記にあります。
- 実務に直結する知識を身につけられる
- 顧客からの信頼を得られる
- 遺品整理士認定協会から仕事を受けられる
資格を取得する際に受講する遺品整理士養成講座では、遺品の扱い方や、遺品に関連する法律など、実務に直結する知識を得ることができます。
また、遺品整理士は顧客からの信頼獲得にも繋がります。遺品整理業者への依頼を検討しているユーザーは、遺品整理士の資格を取得しているかどうかを検討材料の重要項目とする傾向があるためです。
そのほか、遺品整理士認定協会に加盟をすることで、協会経由で遺品整理の仕事を受注できる可能性があります。開業したばかりの時は集客がうまくいかずに悩んでしまうこともあるでしょう。そんな時に遺品整理士認定協会サポートをしてもらうことが可能です。
以上のとおり、遺品整理士の資格を取得するメリットは大きく、開業する際には取得しておくべきだといえます。
遺品整理業を開業するための具体的な手続きと流れ
ここからは、遺品整理業を開業する際の流れについて解説します。
まずは計画を立てることから始まり、開業前の準備をおこない、いざ開業という流れになりますが、各ステップで知っておくべきこと、注意しておくべきことがあります。
開業手続きを漏れなく進めるために、ぜひ参考にしてください。
<開業までのステップ>事業計画書の作成から許可取得まで
遺品整理業を開業すると決めたら、まずは事業計画書を作成しましょう。
事業計画書とは、創業目的や取り扱いサービス、必要資金、開業後の見通しなどを記載し、計画をたてておくための書類です。
計画を立てる際、どういった遺品整理サービスを提供したいのかを考え、そのために必要な資格と、資格取得に必要な費用についても洗い出しておきましょう。
事業計画書を作成して開業の見通しが立ったら、先んじて取得しておくべき資格・許可については取得を進めておくことをおすすめします。
開業をしてからでも資格の取得は可能ですが、開業後は集客に集中したいと考えることもあるかと思います。また、資格によっては取得までに時間を要するものもあります。
そのため、事業計画を立てたら、開業する前に取得できる資格は取得しておきましょう。
法人設立と個人事業主の違いは?どちらを選ぶべきか
遺品整理業において、法人と個人事業主、どちらの開業が有利・不利なのかは一概にはいえません。どちらにもメリットがあり、デメリットもあるためです。
そのため、経営をするうえで何が1番重要なのかを考えて、判断すると良いでしょう。
法人と個人事業主には次のような違いがあるため、判断基準の参考としてください。
違いがある部分 | 法人の場合 | 個人事業主の場合 |
開業前の提出書類 | 定款、法人設立届出書、給与支払事務所等の開設届出書など | 開業届、事業開始等申告書など |
書類提出時に必要な費用 | 20万円以上 | 不要 |
税負担 ∟所得が少ない場合 | 少ない | 多い |
税負担 ∟所得が多い場合 | 多い | 少ない |
顧客からの信頼性 | 高い | 低い |
法人の場合、開業前の準備に時間や費用がかかります。ただし、所得額が多い場合は個人事業主よりも税負担が軽くなります。また、顧客からの信用も得やすいでしょう。
個人事業主の場合、開業準備は法人に比べると簡単です。また、所得額が少ないうちは税負担が軽くなるメリットがあります。ただし、法人に比べて法的な信頼性や信用力が低い場合があるため、顧客からの信頼は低いといえるでしょう。
遺品整理業に必要な開業届や税務署への提出書類
上記表の通り、開業をするには法人であっても個人であっても書類を提出する必要があります。
法人の場合は、非常に多くの書類を提出しなければいけません。
事業形態にもよりますが、法人設立届出書をはじめ5種類以上の書類を税務署へ提出することとなります。書類によって提出期限が決められているため、滞りなく進められるよう準備しておきましょう。
個人事業主の場合、提出書類は少なめです。
開業届を税務署へ、事業開始等申告書を各都道府県の税事務所へ提出することとなります。そのほか、状況に応じて青色申告承認申請書なども提出しましょう。
遺品整理業の開業資金はいくら必要?内訳と節約のポイント
事業の開業には資金準備が必要不可欠です。遺品整理業においても変わりません。
ここからは、遺品整理業における開業資金について詳しく解説します。
独立開業とフランチャイズ開業、どちらが資金面で有利?
遺品整理業者として開業をする際、次のどちらの方向性で開業をするのか検討してみましょう。
開業の方向性 | 特徴 |
独立開業 | 個人で事業を管理する方法。集客や教育で支援を受けず個人の実力で経営をしていくこと。 |
フランチャイズ開業 | フランチャイザー(親会社)と契約を結び、経営面で支援を受ける代わりに対価を支払う事業形態のこと。 |
どちらのスタイルにもメリット・デメリットはありますが、資金面で大きな違いがあることに注目しましょう。
独立開業の場合は、資金繰りは自分自身の自由です。遺品整理に必要な道具をどれくらい購入するのか、集客用の宣伝費にいくら使うのか、選択はすべて自分次第であり、費用を抑えたいと思ったら抑えることが可能です。
フランチャイズの場合は、親会社からのサポートを受けることができる代わりに、対価を支払う必要があります。一般的には、加盟料として100〜200万円、ロイヤリティとして月3〜20万円程度かかります。
そのため、資金面での話のみでいってしまえば、独立開業のほうが有利となるでしょう。
ただし、フランチャイズの場合は対価を支払う代わりに集客の援助をしてもらえるため、開業後に売上が伸びやすいともいえます。
開業時の初期費用一覧
遺品整理業を開業する際に必要な初期費用を見てみましょう。
遺品整理業に必要な資金 | 準備費用 |
ユニフォーム・作業着の購入費 | 3,000~5,000円 |
トラックの購入費 | 50~300万円 |
店舗・事業所の契約・購入費 | 20万円~ |
遺品整理時に使用する備品の購入費 | 1,000円~ |
資格・許可取得費 | 5,000~270,000円 |
集客費用(HP制作費・広告費など) | 10万円~ |
上記のとおり、最低でも100万円程度は準備をしておく必要があります。
余裕をもって開業したい場合は300万円ほど用意しておいたほうが無難でしょう。
助成金・補助金の活用で開業資金を抑えよう
遺品整理業を開業する際に利用できる助成金・補助金についても知っておきましょう。
次の助成金や補助金は、条件さえ満たしていれば法人でも個人事業主でも活用することが可能です。
- 起業支援金
- 創業助成金
- 創業補助金
- 小規模事業者持続化補助金
また、自分以外の従業員を雇用する場合は、次の助成金・補助金が活用できる可能性があります。
- トライアル雇用奨励金
- 雇用調整助成金
- 特定求職者雇用開発助成金
- 高齢者雇用開発特別奨励金
- 労働移動支援助成金
助成金や補助金の申請方法は厚生労働省や経済産業省、地方自治体のホームページにて確認が可能です。
開業資金を抑えたいという方は、ぜひ活用してください。
遺品整理業の独立開業とフランチャイズを比較
前章で、独立開業とフランチャイズ開業が選べることを述べましたが、改めて特徴を比較してみましょう。
独立開業のメリットとデメリット
遺品整理業者として独立開業する場合のメリット・デメリットは次の通りです。
メリット
- 資金繰りを自由に決められる
- 売上はすべて自分の利益となる
- 営業スタイルを自由に決められる
デメリット
- 集客は自分自身でおこなう必要がある
- 業界の最新情報などは自分で得ていく必要がある
独立開業では、資金面でのメリットが大きいものの、開業したあとの集客に苦戦する可能性があることには注意しましょう。
広告を出したり、営業をするといった集客施策に積極的に取り組む必要があります。
フランチャイズ開業のメリットとデメリット
遺品整理業のフランチャイズに加盟した場合のメリット・デメリットは次の通りです。
メリット
- 親会社の看板・ブランド名を借りることができる
- 集客支援を受けられる
- 遺品整理業界の最新情報を得やすい
デメリット
- 加盟料とロイヤリティの支払いが必要
- 退会金や違約金が発生するリスクがある
- 親会社のルールに従う必要がある
フランチャイズ開業の場合、親会社からの支援が受けられるメリットは大きいといえます。ただし、独立開業と比較して費用が必要であるという点はデメリットともいえるでしょう。
また、加盟規約が設けられているため、事業内容についても自分の自由にできるわけではないことを理解しておく必要があります。
どちらを選ぶべきか?フランチャイズと独立開業の選択基準
フランチャイズ開業と独立開業のどちらを選ぶべきかは、事業運営スタイルに合わせて判断しましょう。
判断基準の軸となるのは「資金」と「集客」です。
資金面で有利になるのは独立開業で、集客面で有利になるのはフランチャイズ開業です。
開業資金の調達は不足なく行えるか、開業後の集客に見通しは立っているかどうかを考え、どちらの方法で開業をすべきなのか判断してみてください。
遺品整理士を活かして開業後に成功するためのヒント
開業前の準備についてはもちろん、開業後のことも考えておかなければいけません。
開業後、事業が成功するかどうかは誰しもが不安に思うでしょう。
そんな時、遺品整理業においては「遺品整理士」を活かすことがポイントとなってくることを覚えておいていただきたいです。
遺品整理士資格の具体的な活用方法とは?
遺品整理士の資格は、仕事面でも集客面でも活用ができます。
仕事面においては、資格取得の際に得た知識が全面的に役立ちます。遺品の扱いはもちろん、遺族に対する姿勢も学べるため、遺品整理作業を行う際は資格知識を存分に活用しましょう。
集客面では、遺品整理士認定協会からのサポートを受けられること、集客施策に役立てられることを覚えておきましょう。
遺品整理士認定協会からの支援と仕事紹介を活用しよう
遺品整理士資格の試験に合格すると、遺品整理士認定協会に加盟をすることとなります。
加盟をすることで遺品整理士認定協会ホームページに企業名を掲載してもらえたり、協会経由で仕事を紹介してもらえたりします。
また、遺品整理業の独立開業を支援する研修や、業界情報を得られる交流会なども開催されています。
開業前の方、開業したばかりの方にとっては嬉しい支援となるため、ぜひ遺品整理士の資格を取得してサポートを受けましょう。
資格を取得して信頼性を高め、集客に繋げる方法
遺品整理士の資格は集客に活用できます。
遺品整理士は遺品整理のプロである証であり、遺品整理業者としての信頼獲得に大きく寄与します。
そのため、顧客に対して有資格者であることをアピールしましょう。
例えば、オンライン広告やチラシに遺品整理士が在籍していることを記載をしておくだけで顧客からの信頼獲得に繋がります。
自社ホームページがあるなら、遺品整理士認定証に記載されている認定登録番号を記載しておくことで、より信頼性を高めることが可能です。
集客数をアップさせるためにも、遺品整理士の資格は積極的にアピールしていきましょう。
遺品整理業を開業する際の注意点とよくある失敗例
ここまで、遺品整理業に必要な資格や開業準備について解説をしてきましたが、開業にはリスクが伴うことも理解しておかなければいけません。
しかしながら、リスクは対処法さえ知っておけば回避できます。
開業後に経営が失敗に終わってしまわないよう、確認をしていただければと思います。
許認可の取得が遅れることによるリスク
提供をする遺品整理サービスの内容によっては、無許可でおこなうと法律違反となってしまうものもあります。
例えば、一般廃棄物収集運搬業許可の場合、無許可で業務をおこなうと5年以下の懲役もしくは罰金1,000万円、またはこれら両方の罰則が科せられてしまいます。
古物商許可の場合は、無許可でおこなうと3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられます。
罰則対象となってしまうと遺品整理業の運営にも大きな支障が出てしまうでしょう。
資格や許可の取得は、遅滞なく進めるよう注意してください。
資金不足や準備不足でのスタートのリスク
開業前の資金準備にも気を付けなければいけません。
資金不足のまま開業した場合、自転車操業状態で赤字経営が続いたり、最悪の場合、倒産してしまう可能性も十分にあり得ます。
また、開業後の集客についても準備を怠ってはいけません。
集客は売上に繋がる重要なポイントです。集客がうまくいかなければ問い合わせもこず、売上が伸びなければ経営が傾くことになってしまいます。
集客に失敗しないための事前準備と戦略立案
開業後、いかに売上を伸ばせるかは集客の仕組みづくりが肝となってきます。
そのため、開業をする前から準備と計画を進めておきましょう。
遺品整理業の集客方法としてはオンライン集客とオフライン集客の2つがあり、自社にあった方法で集客を実施することが大切です。
特に、開業したばかりでスピード感を持って集客をしたいという場合は、オンライン集客の「リスティング広告」がおすすめです。
リスティング広告はインターネット上で広告配信をおこなう手法ですが、今まさに遺品整理業者を探しているユーザーに対して的確にアピールをすることが可能です。そのため、広告を見たら問い合わせに繋がる、といった最短距離での集客ができるのです。
ただし、広告運用は専門的な知識も必要となり、誰でも必ず成功するとは限りません。
そのため、確実に集客を成功させたいという場合はプロにリスティング広告の運用を任せることをおすすめします。
プロに依頼することで集客を全面的にカバーしてもらえるため、自身は遺品整理業に集中できるといったメリットもあります。
開業後の集客に悩んだ際は、ぜひリスティング広告での集客を検討してみてください。
遺品整理業で独立開業したらKAKETSUKEへご連絡を!
今回は、遺品整理業の開業方法について解説しました。
遺品整理業を開業する際は、ぜひ参考にしていただければと思います。
また、開業後の集客に不安がある方は、一度KAKETSUKEまでご連絡ください!
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